埼玉大学
脳末梢科学研究センター
Brain and Body System Science Institute (BBSSI), Saitama University

ー学内外の知を終結した、戦略的研究拠点ー

研究テーマ

脳センターの活動目標と研究計画

脳科学は大きく分けて、(1)遺伝子・分子、(2)細胞・シナプス・回路、(3)高次脳機能、(4)脳疾患の4つの次元を取り扱う学問領域であるため、一つの次元だけを扱っていては、脳の本質を理解することは困難である。また、脳研究は遺伝子改変動物などの研究リソース、および新技術への依存度、要求度が非常に高い学問でもある。 埼玉大学・脳科学融合研究センターでは、生命科学分野の研究室や、物質科学、情報工学、ロボット工学等の工学系の研究室が結集し、さらに理化学研究所脳科学総合研究センターと連携体制をとるとともに、他学部研究室とも連携・共同研究体制をとることで、研究分野横断的な融合的脳研究を進めることを目指している。

本研究センター内に設置する脳機能解析部門、脳発生発達解析部門、脳科学研究新技術開発部門の3つの部門は、現在、脳研究に期待されている諸課題の中で、以下の研究分野を取り上げて研究を推進して行く。

脳機能解析部門

  1. 恒常性調節機能解明に関する研究
  2. 知覚認知・運動制御系の機構解明に関する研究

脳発生発達解析部門

  1. 脳の発生・発達に関する研究
  2. 精神・神経疾患の原因解明に関する研究

脳科学研究新技術開発部門

  1. 脳科学の推進に貢献しうる新技術、研究リソースの研究開発
  2. Brain Machine Interface(BMI)への応用に関する研究

これらの研究体制の確立を通して、脳の働きとその形成機構の理解という学術的目的の追求に加え、精神・神経疾患の解明、脳科学研究を強力に推進する次世代新技術の開発を進めることで、埼玉大学から世界に発信する研究拠点の形成を目指す。加えて、産業、教育関連の機関・組織・企業との連携・交流を通し、研究成果を社会に還元するとともに、本センターでの融合的脳科学研究によって、広い視野を持った研究者、高度専門技術者など、将来社会を担い活躍しうる人材を養成し、大学としての責務を果たしていく。

部門の研究課題

(1)脳機能解析部門

人間で見られる様々な精神活動の基盤である脳高次機能、特に脳の知覚、運動制御、学習、記憶等について、実験動物、およびヒトを対象とし、電気生理学、発生生物学的手法、解剖学、分子生物学的手法、各種イメージング技術等を駆使することで総合的に理解する。また、神経ペプチド、ホルモン等の脳における産生とそのシグナルによる生命維持、生体内恒常性制御機能について、中枢及び末梢神経系-内分泌系-免疫系の連関を軸に解明する。

(2)脳発生発達解析部門

本部門では、マウス、小型魚類等のモデル動物を用い、個体発生における脳の発生とその後の成長に伴う脳の発達、特に神経細胞の分化と神経ネットワークの形成、形態的発生と機能的発生の関係を遺伝子レベルで解明する。これと並行して、複雑系理論による神経ネットワークのモデル化とその実験に依る検証を進める。以上により、脳の発生、発達に関するメカニズムの総合的理解をめざしている。一方、遺伝学的手法、網羅的遺伝子発現解析、そしてノックアウトマウス技術等により、各種ヒト脳疾患(てんかん、ダウン症など)について、病因、原因遺伝子の特定と発症メカニズムの解明にも貢献したい。

(3)脳科学研究新技術開発部門

脳研究は新技術への依存度、要求度が非常に高い学問でもある。本研究部門では、脳活動の時空間パターンを測定するイメージング法を開発し、BMIに応用していく。また、分子レベルで遺伝子や蛋白質の機能を解析する分子イメージング法、神経活動を操作する光技術の開発や応用研究を行っていく。さらに、脳に発現する機能性分子に特異的に結合する阻害分子の開発や、蛋白質の脳内分布を時間空間的に高感度に検出する方法を開発する。本部門で開発された技術は他の部門の研究に積極的に応用していく。